理想のデート
- ゆか
- Mar 14, 2024
- 4 min read
Updated: Mar 7
ママと2人でハワイに行ってきた。
旅行といえども、ハワイはセカンドホームのような場所だ。朝食はキムチ納豆と味噌汁、オレンジジュースで、タバコを吸った後ソイラテを飲みながら準備をする、という日本と変わらない朝を迎える。
日中はショッピングやハイキングなどでなんだかんだ時間を過ごし、夜は毎度行くようなレストランで食事をする。滞在中、1-2レパートリー増やすくらいの感覚でお店選びをし、気に入ったら次回の候補になる。そんな感じで1週間程度を過ごす。
今回初めて行ったお店は、居酒屋の「ZIGU」、シーフードレストランの「The Seaside」、おしゃれカフェの「Heavenly Island Lifestyle」の3店舗。すべてZETTON(ゼットン)というグループ会社が経営している飲食店で、代表的な「Aloha Table」は日本でも有名だ。
ホノルル ワイキキにあるSeaside Avenueという通りは、ビジネス界隈で「ZETTON Street」と呼ばれているそうだ。上記以外にもステーキ屋さんやラーメン屋さんなどZETTONのお店がたくさん立ち並んでいて、現地の人も旅行客も訪れる人気スポットとなっている。
小さい頃、シェラトンとヒルトンがハワイで日本人が好む二大ホテルだと知った時、「将来はユカトンホテルをつくる!」と家族に宣言したことがある。
ゼットンが勢力を増してきた今、自分の視野の狭さに気づかされた。
ホテルじゃなくてストリートという手があったか。
そっちの方がいいな。
やっぱりユカトンストリートをつくろう!
いつか、ハワイのどこかにユカトンストリートができるので是非楽しみにしていてほしい。
「The Seaside」ではシーフードが大好きなゆかの好みのお料理が揃っていた。特に大好きなシュリンプカクテルとオイスタープレート、そしてクラムチャウダーとシーバスのグリルを注文した。それにスパークリングワインと白ワインを合わせて飲む。
味は普通においしかった。
正直に言えば、ゆかはぷっくりと大きくてクリーミーな牡蠣が好みなので少し物足りない。
でも特に全体としての不満はない!おいしかった!
お料理はすべてママと半分ずつ。オイスタープレートは半ダースか1ダースで選べ、他のお料理もあるのではじめは半ダースを注文した。
しかし、「やっぱり1ダースいっちゃおっか!」という話になり、店員さんにお願いして1ダースに変更してもらった。
席は厨房のすぐ近く。フロアの店員さんは1人。そこまで混んではいなかったが、それなりに忙しそうだ。
お料理を待っている間、店員さんが他のお客さんの注文を通す声がかすかに聞こえた。
"......24 oysters...."
ん?24オイスターズ?2ダースってこと?そんなに?だれが?
辺りを見渡しても大人数のお客さんはいない。
しばらくすると、大きなお皿2枚に12個ずつの生牡蠣を乗せて、店員さんがテラス席に座るカップルのもとに運んでいった。
カップルはとても嬉しそうに様々な大きさ形のオイスター達を迎えている。
テーブルの脇にはボトルシャンパン。
「わー!あの人たちひとり1ダースずつ食べるんだね!」とママ。
ゆかは感動していた。
同志だ!仲間だ!
ここにもいたなんて!
ゆかは1人で過ごす特別な日にオイスターバーに行くことがある。
お笑いライブ、映画、特別展、、、好きなエンタメを観た帰り、ゆかはオイスターバーでその日お店がおすすめする生牡蠣が敷き詰められたオイスタープレートと白ワインをグラスで2-3杯注文する。
ゆかのためだけの、ゆかの大好きなオイスターとワイン。
他になにもいらない!
だってお腹いっぱいになっちゃうじゃん!
最後までおいしく食べたいじゃん!
お腹いっぱいで苦しくなったらオイスターとワインに失礼じゃん!
おいしいご飯とお酒は最大限楽しみたい。
そして最大の敬意を払いたい。
エンタメで心を満たし、オイスターとワインで体を満たす。
そんな贅沢な1日。
いつか都内近郊のオイスターバーを制覇して、お気に入りのお店の常連になりたいと考えている。
そんな独りよがりな"ひとりデート"を、あのカップルはふたりでやっていた。
"ひとりデート"と"ひとりデート"で"ふたりデート"になっていた。
あそれはもう普通のデートか。
いや、理想のデートだ!
なぜなら、ふたりデートはボトルを開けられる。
ひとりだと飲みきれないが、ふたりなら飲みきれる。
そんな、ひとりとふたりが爽やかに入り混じった理想のデートをするあのカップルはとても素敵だった。
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