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タレントディスカバリー

  • ゆか
  • Feb 26, 2024
  • 2 min read

Updated: Mar 1, 2024

「ゆかはタレントディスカバリー的な才能があると思う!」

と昔ある人に言われたことがある。

すごく誇らしかったことを覚えている。

まだ気づかれていない誰かの魅力を見つけることが得意という事なのだろうか。

だとすると、そんなゆかに気づくその方のほうがよっぽどタレントディスカバリーに長けていると思うが、素直にうれしかったし、もっとディスカバーできるようになりたいと思った。


大学時代、ヨーロッパ文化史の授業で「芸術の公共性」というタイトルのレポートを書いた。

芸術の公共性を美術館の歴史を辿りながら考察する内容なのだが、そこで、美術館の原型がかつて宮殿や貴族の邸宅のなかであらゆる"もの"をコレクションする部屋だったということを知った。

美術作品に限らず動物・鉱物・植物の標本・書物・肖像・楽器などの「雑多なもの」が集まったその部屋は、「自然全体の縮図」と捉えられ、宇宙や世界のモデルとなり、コレクションが多様であればあるほどその無限の広がりを表現していたという。


これまで自分が、見て、聞いて、感じて、経験したもののすべてが、この肉体のなかに集約される。

声に出さなくても肌に描かれている。

そして、その多様性が自分の可能性の広がりを表現している。

そんな考え方に似ていると思った。


一方で、メキシコの建築家ルイス・バラガンはこう言ったそうだ。

「全景を見渡すパノラマより、正しく枠取られた風景のほうが美しい。」


これまで自分が、見て、聞いて、感じて、経験したもののすべてが、この肉体のなかで集約され、溶け合う。

その一部を正しく掬い、音にのせる。

それが言葉となり、他の肉体に流れ込んでいく。

そんな授受の営みを含めた美しさのことを言っているのだろうか。


タレントディスカバリーとは、まだどこも掬いとられていない肉体を見つけることだ。

そして、正しく掬い、ぴったりのスープ皿に盛り付け、正しく届ける。

どこかの肉体に新しいスパイスが加わる。

その風景は間違いなく美しい。

 
 
 

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